急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
怒りに燃える彼女の瞳は、大きく、長い睫毛に縁取られ、キラキラしてとても綺麗で…。
彼女が、わざと地味に見えるような化粧をしている事に、その時、漸く気がついた。

綺麗だ…

叩かれた頬より、なぜだか胸の奥の方がきゅぅっと痛くなって…熱くなって…鼓動がドキドキと速まって…。
目の前で自分を睨みつけて、ギャンギャン捲し立てている女から目が離せなくなった。

あんな風に胸の奥がきゅうきゅうするのは初めてで…今でもモヤモヤが止まらない。

ふと自分の掌に目をやる。
(細くて…白くて…掌に吸いつくような肌…)

握っていた亜里砂の手首の感触を思い出した。
(また…触れたい…)

なぜこんな風に思うのか…。

「チクショウ…なんなんだ!あの女…絶対に仕返ししてやるからな…」

大也は頬を赤らめ、拳を握って小さく呟くと、タワーに向かう足を速めた。



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