急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
コンコン

山藤が扉をノックする。

「本部長…。ベリー・マリアージュ・サービスの加納様をお連れしました」

「ああ、入れ…」

山藤に続いて部屋に入ると、そこは想像していたよりずっとシンプルな部屋だった。

大也が書類を広げている机も椅子も、応接セットも、全て高級感漂うものなのだが…。
亜里砂はもっとこう…床に白熊や虎の毛皮が敷いてあり、壁に象牙が何本も掛かっているような、ワシントン条約など糞食らえな部屋で…大也が傍らに巨乳美女を侍らせ、ふかふかのソファーにふんぞり返って仕事をしている姿を想像していたので…あまりのシンプルさに驚いてしまったのだ。

書類から目を上げて、亜里砂の方を見た大也の片頬に、白い湿布が貼ってあるのを見て、亜里砂の胃がキリキリと痛んだ。

「本部長…?頬を如何されましたか?先程まで…」

山藤が何か言いかけたのを、大也が「もういい。退がれ」と鋭く声を掛け、手を振り遮る。

「承知致しました。では後ほどお茶をお持ちします」

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