この声で、キミに「好き」と伝えたい。
歌おうと口を広げると同時に、涙がこみ上げる。


とても歌える状態ではないあたしに、ママはため息を吐いた。


「…今朝のレッスンはここまでにしましょう」


思い通りのレッスンができずに、明らかにママは機嫌を損ねていた。


「なにがあったかは知らないけど、…コンクールまであと1週間よ?ここでがんばらないでどうするのっ」


そのママの言葉に、あたしの心がズキンと痛くなった。
< 152 / 898 >

この作品をシェア

pagetop