この声で、キミに「好き」と伝えたい。【編集中】
そう言って、ママは部屋から出て行った。



ママの鶴のひと声で、特別にあたしは最後に改めてステージに立てる機会を与えられた。


それまでに声が戻れば問題ない。


ママはそう思っていたらしい。


…だけど、ママの願い虚しく、コンクール中にあたしの声が戻ることはなかった。


ママの計らいは無意味なものとなり、あたしを除くすべての出場者がその歌声を披露し、重要なコンクールの幕は閉じた。
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