この声で、キミに「好き」と伝えたい。
この蒸し暑い季節ならよくある夕立だ。


だけど、あたしは傘を持っていなかった。


下校時間を過ぎているため校門は閉まっていて、他の生徒もいない。

雨の中、ただ1人ぽつとんと立っているのは…あたしだけ。


今のあたしには、雨の冷たさもなにも感じない。


だってあたしは、……“人形”だから。


そう思っていたのに…。



「…千歌?」


ふと聞こえたあたしを呼ぶ声…。
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