ご縁婚  お見合い結婚のはずですが、溺愛されています?
チャペルの扉を開けた先、祭壇の前にはいつの間にか大切な人になった雅貴さんが待っていて。

その道すがらには私を支え続けてくれた浩太郎兄さん家族に日奈子さんがいて、雅貴さんのご両親もいて。

本当に大切な人たちに見守られて私は、雅貴さんの隣に立つ。


「汝、病める時も健やかな時も、それを敬い愛し、共に歩むことを誓いますか?」

「はい、誓います」

二人揃って返事をし、指輪の交換。

ベースを上げて誓のキスを交わし。

親族に見守られた小さなお式は無事に終了した。


午後二時からの披露宴には、既に会場入りしている方が多数との事で私達も会場入りのため準備をする。

私はベールを外し髪型をハーフアップだったものからアップスタイルへ変更し、会場と同じお花を飾ってもらった。

会場は黄色と淡いピンクのお花で飾られて新春であるが、春のような明るさのある会場になっている。

私の住んでいた家は既に無いが、両親と住んでいた家には薔薇が綺麗に植えられていたのだ。

母が好きだった薔薇に囲まれた披露宴にしたいと言うと、一も二もなく雅貴さんは賛成し、会社の関係者の方も華やかでいいとの事で会場の装花は決まった。

そして、参加者も時間前には揃ったようで私と雅貴さんが披露宴会場へ入ると600人の招待客に一斉に見られてかなり緊張した。


披露宴は、一ノ宮の会社の方達もサポートしてくれていたので恙無く終わりまで迎え、最後親への手紙の時間となった。

「伯父様、伯母様。今日まで私を父と母に代わり育てて見守っていただきありがとうございます。父と母が結んでくれた雅貴さんとの縁を大切に、父と母のように支え合いこの先を歩んでいきたいと思います」


「本日、お集まりいただいた皆様へ感謝を込めてお品をご用意しております。まだまだこれからの二人ですが、見守っていただけると幸いです。ありがとうございました」

最後は雅貴さんが締めの挨拶をして披露宴はお開きに。

会場入り口で皆様をお見送りすると、長い一日は終わりを迎えたのだった。



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