北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「材料を持ち寄って、家を作っていくんですよ。藁で作れるか木で作れるかレンガで作れるかは、これからの手札次第です」
「おれたちは3匹の仔ブタなんだね」
 クスクスと揺れている累の背をゆっくり撫でて、凛乃は理解した。
 背中のあたたかさはとても安らぎに満ちていて、ずっと触れていたくなる。
 これが、愛おしいという感情だ。
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