エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
『千菜が泣いてばかりいるとおばさんが心配しているぞ』
その声に、うつぶせに寝転んでいた私はのろのろと身体を起こした。そのままベッドの上を移動すると、隅に座っている貴利くんから距離を取る。
枕を手に取ると、ぎゅっと握り締めて顔をうずめた。
自分でも祖母がいなくなったあの日から泣いてばかりいると自覚している。母が心配しているのも知っている。でも、涙が止まらないんだから仕方がない。悲しくてどうしていいのかわからない。
そんな私を、きっと貴利くんは心配で様子を見に来てくれたのだと思った。
当時から寡黙でクールで、どこか近寄りがたい雰囲気のある貴利くんだったけど、不器用ながらも年の離れた女の子の私には優しく接しようとしているのは伝わっていたから。
女の子の部屋にずかずかと踏み入ってくる無神経なところとか、女の子のベッドに遠慮なく座るところとか。少し苦手だなと思うところもあったけど、あの頃の私はまだそこまで貴利くんが嫌いじゃなかった。
だから、両親には言えなかった私の後悔を貴利くんには打ち明けられたのかもしれない。