エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 そういえば、貴利くんは前に話していた。医者になってからは余計なことに神経を使いたくなかったから彼女は作らなかったって。

 だからやっぱり私の存在も‟余計なもの”になってしまったんだ……。

 祖母を亡くしてからずっと私が持ち続けていた貴利くんの誤解が解けて、彼と結婚を前提に付き合うようになった。私の中で貴利くんのイメージはどんどん変わっていって、誰よりも他人のことを思っている優しい人だと気が付いたのに。

 やっぱり貴利くんは私が彼を誤解していたときのままの貴利くんだった。

 他人に関心がなくて無頓着。私と結婚の約束をして、好きだと何度も言ってくれたのに。邪魔だと思ったらあっさりと切り捨てることができる冷たい人。

 好きになんてならなければよかった。

 貴利くんを大嫌いだった頃の自分に戻りたい。そうすれば、貴利くんがアメリカに行こうがどこに行こうが、こんなに寂しい気持ちにならないのに。

 嫌いになりたい。

 そう思っている時点で私はまだ貴利くんが好きなんだと改めて思い知らされてしまう。

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