エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
『……なるほど。いつも俺からの電話を無視しているくせに、珍しく出るからどうしたのかと思えば。中澤さんの様子が知りたかったのか』
その声はどこか不満そうだ。けれど、私が貴利くんの電話にすぐに出た理由は当たっているので何も言葉を返せない。
『まぁ、いい。俺も千菜が中澤さんのことを気にかけているだろうと思って電話したから』
そう言うと貴利くんは、春子さんが倒れた昨日から今日までのことを私に教えてくれた。
ウケイドウミャク……とか、ケッセンヨウカイ……とか、カテーテルで……とか。相変わらず事細かに説明してくれるけど、医学の知識がまったくない私には何のことだかさっぱりわからない。
『――カテーテル術で無事に血栓の回収に成功して、詰まった血管が再び流れ始めた。血管が詰まるとその先からは血液が流れずに脳細胞は壊死していく。今回は、早期に血流を再開できたからダメージを最小限に食い止められた。後遺症もそれほど残らないし、リハビリ次第では元の生活を送れるようになるはずだ』