蕾の恋〜その花の蜜に溺れる〜
結局、大ちゃん達が永遠の部屋に戻ってきたのは出て行ってから三十分経った頃で
制服も普段通りだし
なんだかスッキリした表情の四人に
返り血を浴びていたらどうしようと思っていた肩から力が抜けた
向かいのソファに座った大ちゃん達
「簡単に説明します」
そう口を開いたのは聡太君だった
「あの三人はもう東の街へ戻ることはありません」
「「「「?」」」」
「家族諸共引越しするそうです」
たったそれだけで説明は終わった
深く聞いたところで納得する説明は得られないだろう
そう頭の中で結論付けて諦めた
「瑛美、送って行く」
「え、自分で・・・」
「話がある」
「・・・うん」
聡太君に連れられて瑛美ちゃんは帰って行った
「じゃあ俺たちも帰ろうか蓮」
「優羽帰るぞ」
そう言って立ち上がった大ちゃんと亜樹に
優羽ちゃんと二人で立ち上がった
永遠とまるちぃに見送られて
駐車場で優羽ちゃんと亜樹に手を振ると
大ちゃんと車に乗り込んだ
「帰る前に誠さんの所に寄るから」
そう言った大ちゃんにひとつ頷いた
□□□
大した距離じゃなかったのに
祖父の家に着くまでに寝てしまった私は
大ちゃんが一人で祖父に詫びを入れたことも知らず
次に起きた時には
「?」
いつもの大ちゃんのベッドの上だった