蕾の恋〜その花の蜜に溺れる〜



「・・・・・・っ」



目を覚ました瞬間見えたのは
大ちゃんの綺麗な寝顔だった


シミひとつない頬は思春期の高校生とは思えないくらいで


そっと指で触れてみる


その指が綺麗な唇に移り

その温かさに触れたくなる


そっと動いてその唇に自分の唇を重ねれば

間近の瞳がパチっと開いた


「・・・んっ」


と思った時にはガッチリと捉えられていて


「素敵な起こし方だね」


合わせたままの唇から聞こえた声に
背中が震えた


だって。

抱き寄せられている感覚で
お互いが何も身につけずに寝たことを思い出したから・・・

恥ずかしさで一気に頬に熱が集まる

それが深くなる口付けで火照りへと変化して

背中に回された大ちゃんの手が
ツーーと触れただけで


「・・・んぁ、っ」


甘い声が出たことに驚いた


クルリと視界が変わり
朝から色っぽい大ちゃんに見下ろされただけで


昨日の夜が頭に蘇ってくる


「煽ったのは蓮だよ」


そう言って柔らかく微笑んだ大ちゃんは


「俺の印でいっぱいだ」


ってオデコに口付けた

それが引き金のように
また・・・大ちゃんの唇に、手に、肌に溺れる





□□□




意識のないまま入ったらしいお風呂




意識のないまま着替えたらしい身体



そして・・・

意識のないままピアスが着けられたこと


意識が浮上して知ったのは



恥ずかしさしかない現実で真っ赤になる



そんな私をクスクス笑って




頭を撫でるだけの大ちゃんには



到底敵いそうもない




























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