死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


私の腕をかすめていった。


焼くような痛みが走り、そのまま廊下で突っ伏す。


死り神は駆け寄るでもなく、じりじりとにじり寄ってきている。


まるで、か弱い獲物をいたぶるように…。


私は立ち上がると、また走った。


どこに行ったらいいか分からない。


ううん、どこにも行くところなんてないんだ。


元の世界には戻れない。


死り神を全て殺さない限り__。


「痛っ!」


腕から血が流れている。


ポタポタと床を汚して、これじゃ居場所が丸わかりだ。


腕を押さえながら、正面玄関から校庭に出た。


そこに死り神が倒れている。


さっき私が消化器で落としたんだ。


そいつが、ゆっくりと起き上がった。


私は慌てて校舎に戻るとそこに__死り神が待ち構えていて。


「あぁ、もう…」


走る気力がなく、その場に崩れ落ちる。


どれだけ逃げてもムダなんだ。


もう、疲れた。


疲れたよ…。


俯いていた私は、目の前に死り神がやってきたのを気配で感じ、ゆっくりと見上げた。


視界の端からは、あの落ちた死り神も駆けてくるのが見える。


目の前の死り神が静かに鎌を振り上げたので、私は静かに目を閉じ__。


これで終わりだ。


ごめんね、祐希。


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