無名ファイル1

「はぁー、本当に苦手なんだな。」

「そうだって言ってるじゃん!」

そんな話をしていると人影が、

私達の前で歩みを止めて声をかけた。

「あ!お兄ちゃんと魅香さん!!
劇凄く良かったですっ…て、ん?」

「あっ…華美ちゃん来てたんだ、
劇、観てくれてありがとうね…」

疲労困憊の私を見て首を傾げる。

理由を話すと天使のような笑顔で、

クスクスと笑った…あぁ、可愛い。

今日も和服がとってもお似合いだし。

「二人共…舞台上ではあんなに、
格好良かったのに子供みたい!!」

笑う度にシャラリと揺れる簪。

「華美ちゃん、文化祭楽しい?」

「はい!凄く楽しいです!!
来年もまた見に来たいです!」

華美ちゃんの温かい言葉に、

私と蛍は顔を揃えて笑った…。

頑張って良かったねって。

今回の文化祭の公演部門の優秀賞、

なんと私達のクラスが受賞した。

様々なハプニングに迅速な対応が、

出来たことも評価されたらしい。

『優秀賞を祝してかんぱーい!!』

打ち上げは大いに盛り上がった。

文化祭は…私達の劇は大成功。

最高の一日になった。

来年は姉様も呼ぼうかなぁ!!
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