無名ファイル1
♡SECTION4♡

Part1.四季折々の愛を


紅葉が散り、木の枝が寂しげな朝。

そろそろマフラーを出そうかなと、

冷えた手の指先に息を吹きかける…。

「おはよー」

少し前を歩く後ろ姿に声をかけた。

黒髪がマフラーに埋もれている…。

「魅香、おはよう。」

ずびっと鼻をすする麗菜。

小さな体を更にすぼめていた…。

「もう寒すぎ…っぷしゅ!!」

ガタガタと震えながら怒り心頭だ。

「えーそんなに?カイロは?」

「背中にも手持ちのも所持してなお、
寒さに打ち勝つことが出来ないの。」

ポケットティッシュを出して、

チィィィンッと拭いていた…。

「カイロは軟弱よ…炬燵が恋しい。」

「もう少しで教室だから頑張れ!」

なんと教室に入ると窓が全開だった。

麗菜がその光景を目撃すると、

ひっと短く息を吸って後方に倒れた。

「麗菜ァァァッ!!」

うわ、教室さっむぅ…!!

「魅香、麗菜!おはようデース!」

朝から元気な登校トップバッター。

「お、おはよ、エミリア…地獄か?」

「あぁ、換気していたデース!!
少し寒いですね、閉めましょう!」

少し?ケロッとしているエミリアを、

麗菜が凄い目で見ていた。
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