無名ファイル1

「えっとつまりは大晦日の夜に、
四人でボードゲームするってこと?
ってか、体調は大丈夫なの?」

「そう、年明け二時間前の十時から、
年明けた一時間後までの三時間配信。
体調はおかげさまで快調。」

まぁ、確かに普通のボードゲームは、

大体定数四人くらいからだもんね。

「麗菜は了承してるの?」

蛍は少し黙ってスゥーッと息を吸った。

「してるよ。」

「ダウト」

「え、なんで!?」

蛍が口で深く息を吸う瞬間って、

演技をする前と嘘をつく前だもん。

「内緒、返事待ち?」

「…そう、考えさせて。だそうだ。」

まぁ、即決するべきじゃないよな。

ファンは二人のアイドルの幼馴染が、

急に登場することは望んでない。

反感を買うかもしれないし、

ファンの心を掴んで成功するかも。

「かなり賭けじゃない?しかも、
ハイリスク・ローリターンじゃん。」

「"Devilish Kiss."共通の知り合いは、
二人しかいないんだ…頼む。」

あー、そもそも"Devilish Kiss."が、

元、全く他人で結成だったからな。

「いいよ、暇だし」

「ありがとうございます。」
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