無名ファイル1

Part5.幻の子供


ここ数日不安定だった天候…。

今日はなんとか曇りの予報だった。

『ピンポーン』

姿見鏡の前でクルンと回った私は、

玄関に小走りで向かった。

「おはよう、なんとか雨を回避だな。」

「うん、でも油断ならないよね…」

少し心配な天気の中…私達は、

ツギハギランド方面の電車を乗り継ぎ、

目的の場所までやってきた。

「うーん、分厚い雲」

「写真映えはあまり望めないかもな。」

雨が降るかもしれない天候の中、

流石にお気に入りの高性能カメラを、

持ってくる勇気はなかった。

どんなに高性能でも雨ざらしはやばい。

「でも天気があまり良くないおかげで、
珍しくお客さんは少ないわけだし!!
沢山アトラクション楽しめるね!!」

せっかくここまできたんだもん!

楽しめる所を全力で楽しむべきだよ!!

「あぁ、そうだよな…よし、
全アトラクション制覇するか!!」

「蛍も案外パワフルだよね!!」

風邪をひいていた時の儚さはない。

「じゃあまずは、あれに行こう!」

「いや、いやいやいや!!ちょっ、
それは…今回は行かなくても!!
…ッだがら”ぁ”ぁ”ぁ”あ”ッ!!!!」
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