僕ときみの、ありふれた恋
少し落ち着いて、涙が止まったタイミングで、立川くんはどこかに行ってしまった。



制服のポケットを探っても、ハンカチが見つからない。



・・・家に忘れてきた。



こんな顔で教室に戻りたくないのに・・・。



どうしようか考えていると、手に何かを持った立川くんが帰ってきた。



そして、立川くんのハンカチと、手に持っていたお茶のペットボトルを差し出してくれて、そばに座ってくれた。



本当に、ヒーローみたい。



ひんやりと心地よいお茶のペットボトルを瞼に当てて、しばらく冷やす。



そばに居てくれるだけで、安心できる立川くんは、本当に不思議だ。



そのことを立川くんに伝えると、すごく照れていた。



耳まで赤くなった立川くんが面白くて、朝のどんよりした気分はどんどん晴れていった。


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