極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
電話が鳴ったのかちらりとポケットから出した携帯を見せ、断って古渡さんが部屋から出ていく。
父とふたりきりになって、ますます気まずくなった。

「……私を恨んでいるのか」

「……」

返事もせずに、黙ってワイングラスを傾ける。

「お前の進路を、反対したから」

「……!」

はぁっ、と小さく父がため息を落とし、カッと頬に熱が走った。
私の気持ちなど、いまだに父はちっとも理解していない。

高校卒業後の進路で、父とは揉めた。
製菓学校へ進みたい私と、無難に大学へ行って普通に就職してほしい父。
白井さんからパティシエの苦労を聞いていた父としては、私の夢に賛成できないのはわかる。
私としてはそれなりに納得して大学へ進んだが、ちょうど、父は再婚を考えていたときだっただけに、後ろめたさからかいまだにこんな誤解をしているのだろう。

「再婚も気に入らなかったんだろ」

――ダン!

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