極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「遠慮することないのに」

なんて古渡さんがシャンパンを傾けているここは、自家用ジェットの中だ。
車メーカーが作っているこのジェットは近場の海外くらいなら行けるらしく、今度、台湾に行こうとか彼は言っている。

快適な空の旅を過ごし、福岡空港からはタクシー……ではなく、高級車のレンタカーだった。
運転は盛実さんだ。

「一時間ほどで着く。
着いたら、ひいお祖母様のお見舞いの前になにか食おう。
なにが食いたい?」

「そう、ですね……」

久留米といえば豚骨ラーメンが有名というのは知っているが、古渡さんは間違ってもラーメンなんて啜りそうにない。
結局、特に希望も出せなかったので、無難に高級ホテルのレストランで済ませた。

「ひいお祖母様、おひさしぶりです!」

「まあ一秋、よく来たわね」

病室のドアを開けた古渡さんの顔を見た途端、ベッドに座っていた老婆は破顔した。

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