好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった
「おはようございます。」



「おーミナトちゃん、おはよ。」



『おはよ。』



どうやら彼女は今日は1コマ目はないみたいだ。
12階は練習室と声楽専攻のレッスン室しかない。



エレベーターに乗り込んで14のボタンと閉ボタンを押す。




そういえば次の伴奏合わせの日程を決めてなかった。



『あとでカナデのラインちょうだい。』



「いいけど、今から聞く質問に答えてくれない?」



こういう時のこいつはめんどくさい。



『やっぱいい。
後で自分で聞くわ。』



どうせ昼12階に来るって言ってたし。




「名前が紛らわしいのも分かる。
でもさ、カナデじゃなくて水書でよかったと思わない?」



『教育実習の時の生徒だったんだ、カナデは。
友達がみんな“カナデ”って言ってたから。』



「ふーん。」



14階です。



『くだらねーこと思ってんじゃねーよ。』
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