大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
気持ちを落ち着けるために自分に言い聞かせる。


「それにしても、三谷商店なんてよく見つけてきたわよね。少しも有名じゃなかったでしょう?」

「そうだね。敏正さんが幹部会に持ち込んで、社長が押し切ったらしいけど、あんまりくわしい話は聞こえてこないよね。緘口令が敷かれているみたいで」


松尾さんの話に橋田さんが反応した。


幹部しか知らないから、私が三谷家の娘だと経理部の仲間も気づかないんだ。

これは、ごり押しした敏正さんや社長にとって絶対に失敗できない事案なのだと、改めて緊張が走る。

なんてことを……。

私はそれほどの負担を強いているとは知らず、敏正さんに愛されて満たされた生活を送っているなんて呑気なものだ。


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