ワンルーム・ビターキス
「ちょっと翠、あんた緋和ちゃんになんも言ってなかったの?自分のこと」



「あー、うん……まぁ。」




一瞬だけ合った目はパッとそらされて、翠は気まずそうに言葉を濁した。





翠が何者か。


私の中にずっと会った疑問だ。





翠のことを詳しく聞いたことは無いけど、教師二年目でタワーマンションの大きな部屋で一人暮らし。



私がここに来てからは生活費を全部負担してくれている。




実家があの大病院だった。


そう考えれば確かに辻褄が合う。





「…緋和にはあとから俺が全部話すからとりあえず診察してやって。俺向こうにいるから」




なんて言って翠は1度も目を合わさずにでていった。





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