無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
確かめたかっただけだった。李々斗にとってわたしがどのようにトクベツなのか、知りたいだけだった。
だけど、わたしが拒否したんだ。
「幼なじみ」って言葉で李々斗のことを否定したから。李々斗との間に変化が訪れることがこわくて、李々斗の声を聞こうとしなかったから。
「ふ……っ」
「え、有村さん」
「わかんない……っ、うう~…」
寂しいよ、すごくすごく、寂しい。
わたしは、どうしたらよかったんだろう。
「…あー、まってまって。一旦着替えて店でようか。多分そろそろ佐藤さん来ると思うから」
「うう…っ」
「それに、有村さんもここじゃ思いっきり泣けないだろうから」
ぽたりぽたりと流れる涙を親指でやさしくふきとった吉川くん。
「店の外で待ってるから、着替えてきな」とわたしに着替えを促し、吉川くんは荷物をもって休憩室を先に出る。
2人一緒に出て、しかもわたしが泣いた後だと店長さんにバレたら心配されてしまうと思ったのかもしれない。
いつだってやさしい気遣いに、また申し訳なさがつのった。