無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
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「…落ち着いた?」
「ゔ、うん…」
「そっか」
それから数分後の話。
バイト先を出たわたしと吉川くんは、店がある反対側の通りに位置する小さな公園のベンチに座っていた。
李々斗の気持ちを聞くのがこわいこと。
李々斗のことを否定してしまったこと。
「幼なじみ」と言う言葉で線を引いたこと。
そうしたら、李々斗がわたしとの間に距離をつくるようになったこと。
寂しくて、悲しくて、だけど全部わたしのせいで。
李々斗と今まで通り話したいけど、なにをどう言葉にしていいかも分かっていないこと。
ぐちゃぐちゃになったままどうにもできない感情を吐き出すと、やっぱり苦しくて、悲しくて、ぼろぼろと涙が零れる。
吉川くんは、そんなわたしの話を聞いてくれたあと、トントン…と優しく背中を撫でてくれた。