無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎






「わ、もう17時になりそう。せっかく早上がりだったのにごめんね」



秋の夕暮れ時は、この時間でもすっかり暗さを含んでいた。スマホで時間を確認した吉川くんが、「ちょっと肌寒いね」と身震いをする。




「全然…っ、むしろわたしのほうが、気を使わせてごめんなさい…、」

「はは、全然。結構冷えてきたし、送ってくから早く帰ろっか」



おもむろに立ち上がった吉川くんが言う。

わたしは、その言葉に頷くことが出来ずピタリと動きを止めた。




「……有村さん?」



どうしたの?と吉川くんが顔を覗き込んでくる。

不意に近づいた距離に反射的に顔を上げれば、吉川くんは眉を下げて困ったように笑っていた。


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