キミだけのヒーロー
ちぃちゃん
どんなに気分が落ち込んでいても、当たり前だが、月は沈んで陽は昇るわけで……。
オレはいつものように部活に出ていた。
シィはやはり風邪をひいていたらしく、今日はめずらしく欠席だ。
練習を終えたオレは一人、重い足をひきずってグラウンドを歩いた。
ふいにある教室の前で足が止まった。
「ちぃちゃん……おるかな」
ポツリとつぶやいて、美術室の窓ガラスをコンコンと叩いた。
なぜか彼女の笑顔を見たかった。
いつもよりほんの少し時間をかけてから、窓が開いた。
「ケンちゃんっ」
彼女の顔を見たとたんオレは心底ホッとした。
迷子になった子供が母親に出会えた時はこんな気分になるんじゃないだろうか。
いつものように、窓から美術室へ入る。
オレはいつものように部活に出ていた。
シィはやはり風邪をひいていたらしく、今日はめずらしく欠席だ。
練習を終えたオレは一人、重い足をひきずってグラウンドを歩いた。
ふいにある教室の前で足が止まった。
「ちぃちゃん……おるかな」
ポツリとつぶやいて、美術室の窓ガラスをコンコンと叩いた。
なぜか彼女の笑顔を見たかった。
いつもよりほんの少し時間をかけてから、窓が開いた。
「ケンちゃんっ」
彼女の顔を見たとたんオレは心底ホッとした。
迷子になった子供が母親に出会えた時はこんな気分になるんじゃないだろうか。
いつものように、窓から美術室へ入る。