キミだけのヒーロー
夏の終わり
夏休み最終日。


「いってぇええ……」


シィが膝を抱えて座り込んでいる。

さっき練習中に転んで怪我をしたのだ。

運の悪いことに今日はマネージャーが休みだった。


「保健室行くか?」


「いや、いい」


シィは立ち上がるとニヤッと笑って


「こっちの方が近いやろ?」


そう言って、美術室を指差した。


確かにね。

ちぃちゃんなら、絆創膏ぐらい持ってそうだな。


「んじゃ、オレ先行っとくし」


そう言ってシィと別れた。
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