キミだけのヒーロー
自転車にまたがり、空を見上げた。


雲の切れ間から、太陽がほんの少し顔を覗かせていた。


「ほんまに降るんかなぁ」


なんて、オカンの天気予報を疑いながらペダルを漕ぎ出した。



「日下部っち―――! おーっす!」


生徒達がオレを追い越していく。

その後ろ姿がなんとなく眩しくて、目を細めた。



日下部っち――て。

あいつら教師をナメてんな。

ま、いっか。



日下部健二 24歳

今日もはりきって出勤してきまっす!





[ほんとの……完]



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