キミだけのヒーロー
「ひょっとしたら、卒業前に転校したんかもしれへん……」


「そっか」


一歩近づけたような気がしたけど、やっぱり会えないのかとオレは肩を落とした。

そんなオレの背中をバンッとカナコが叩いた。


「まぁ。つてを頼りになんとかしてみるから。カナコちゃんに任せといて!」


「カナコ……お前良いヤツやなぁ」

(性格きついけど)


「ただし、情報料は高いで!」


「なっ……!」


前言撤回!


「お前は、ほんま最低やな! ヤマジぃ、この女なんとかせーよ!」


ヤマジは相変わらずクスクス笑ってた。

会えるかな?

会いたいな。


“キリノノリコ”……いや“キタノノリコ”に。
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