キミだけのヒーロー
かませ犬
Mサイズのコーラだけを買い、足取りも軽く階段を1段飛ばしで2階へと駆け上がった。
サユリとの待ち合わせにいつも使うファーストフード店。
店内は夏休みということもあって、中高生の集団で賑わっていた。
サユリの学校は今日、登校日なのだとか。
オレも部活は午前中までなので、お昼を一緒に食べようということになり、ここで待ち合わせしたのだ。
フロアをキョロキョロと見渡してみても、サユリの姿はない。
どうやら、オレの方が先に着いたようだ。
二人で並んで座れるようにと、窓際のカウンター席を選んだ。
ここからだとサユリがやってくるのが見えるかもしれないな……なんてワクワクしながら、コーラ片手に片肘ついて、窓の外を見下ろす。
「あははははは――!」
ふいに、背後で店内に響き渡るほどの大笑いが聞こえて、思わず振り返った。
見ると、オレの後ろのボックス席にS女の制服を着た女の子達がいた。
別に聞き耳を立てるつもりもないが、彼女達はかなりの大声で盛り上がっていたため、嫌でもその会話が耳に入ってくる。
「それにしてもさぁ、ほんっと上手くやったよねぇ……サユリ」
え?
サユリ?
ひょっとしたら、サユリの友達かもなぁ。
にしちゃ、全員ギャルでかなり派手だけど……。
まぁ、最初にサユリを紹介してくれたマユもこんな感じだったし、彼女達がサユリの友達だとしても不思議ではないか。
「本命に近づくために、まずは友達からってか?」
「え? 何それ? 何それ?」
「えー。アンタ知らんのー? サトシ君に近づくために、サトシ君の友達ととりあえず付き合ってるらしいで」
オレは口に含んでいたコーラをゴクリと飲み込んだ。
いったい……何の話だ?
サユリとの待ち合わせにいつも使うファーストフード店。
店内は夏休みということもあって、中高生の集団で賑わっていた。
サユリの学校は今日、登校日なのだとか。
オレも部活は午前中までなので、お昼を一緒に食べようということになり、ここで待ち合わせしたのだ。
フロアをキョロキョロと見渡してみても、サユリの姿はない。
どうやら、オレの方が先に着いたようだ。
二人で並んで座れるようにと、窓際のカウンター席を選んだ。
ここからだとサユリがやってくるのが見えるかもしれないな……なんてワクワクしながら、コーラ片手に片肘ついて、窓の外を見下ろす。
「あははははは――!」
ふいに、背後で店内に響き渡るほどの大笑いが聞こえて、思わず振り返った。
見ると、オレの後ろのボックス席にS女の制服を着た女の子達がいた。
別に聞き耳を立てるつもりもないが、彼女達はかなりの大声で盛り上がっていたため、嫌でもその会話が耳に入ってくる。
「それにしてもさぁ、ほんっと上手くやったよねぇ……サユリ」
え?
サユリ?
ひょっとしたら、サユリの友達かもなぁ。
にしちゃ、全員ギャルでかなり派手だけど……。
まぁ、最初にサユリを紹介してくれたマユもこんな感じだったし、彼女達がサユリの友達だとしても不思議ではないか。
「本命に近づくために、まずは友達からってか?」
「え? 何それ? 何それ?」
「えー。アンタ知らんのー? サトシ君に近づくために、サトシ君の友達ととりあえず付き合ってるらしいで」
オレは口に含んでいたコーラをゴクリと飲み込んだ。
いったい……何の話だ?