Happy Musicland
「海斗が歌って?私はまだ歌いたい気分じゃないから」

流花の悲しげな目に、海斗は優しく微笑む。少し屈んで流花の瞳をまっすぐ見つめた。昔は同じくらいの身長だったのに、今ではすっかり海斗の方が背が高い。

「わかった。ならしっかり聴いてて。強がったりせずに素直に泣いたりしてくれていいから」

海斗は流花の心が癒えるようになるような曲を探す。自分には何の取り柄もない。だからこそ、つまらないたてまえや嫌なことを音楽で忘れさせてあげたいのだ。

しばらく画面を見つめた後、海斗は曲を入力する。するとすぐに音楽が流れ出した。今はたくさん泣いてほしいと失恋ソングをあえて入れた。back numberの「僕は君のことが好きだけど君は僕を別に好きじゃないみたい」だ。


ぐうの音が出ないってこのことだね
でも気が済むまで
好きでいるけどあんまり気にしないで


まだきっと流花は先輩に恋をしている。それを海斗は直感でわかっていた。流花はボロボロと涙を零している。
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