ブルースカイの夢
「こんな風に綺麗な色になれたらな……」

空のように綺麗な心で、空のように自由で、広くて、夢を描ける人だったら……。そんなことを考えていると虚しくなって、空っぽのはずの心なのに泣きたくなるんだ。

「先生、どうして人って将来のことを考えなきゃいけないんだろ。こんなに面倒くさいなら人間じゃなくてキャベツを食べる芋虫にでも生まれた方が幸せだったよ」

あたしは来年受験生だ。自分の将来をしっかり考えてほしいと担任の先生に前に言われたばかり。でも、あたしに夢なんてない。そんなものとっくに道端に捨てた。

「わかるなぁ、その気持ち」

ずっとマイナスなことしか言っていないのに、鈴先生は仕事の手を止めて微笑んでくれる。そしてあたしの隣に立って同じように青空を見上げてくれた。

「先生もね、真奈ちゃんと同じだった。生きている意味がわからなくなる時があって、ここから飛び降りた方が楽になれるんじゃないかって何度も思った。真奈ちゃんと同じように空を見るのが好きだった」
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