ブルースカイの夢
懐かしい、と鈴先生はあたしに笑いかける。その笑顔はとても綺麗で、鈴先生が人気者なのもわかる気がした。

「先生はどうして養護の先生になろうって思った?」

あたしが訊ねると、鈴先生は「カウンセリングに通うようになった時にね、カウンセラーの先生にある言葉を言われたのよ」と言いながらデスクへと戻る。そして引き出しを開けて一枚の紙を取り出し、あたしのところに戻ってきた。その紙を鈴先生はあたしに渡す。

「その言葉をね、カウンセラーの先生が忘れないようにって書いてくれたの。その言葉にあたしも自分と同じような考えの学生を助けたいって思って養護の先生になることを決めたんだ」

鈴先生がもらった言葉を、あたしはジッと見つめる。そこには綺麗な字でこう書いてあった。

「果てしない道のどこかに、あなたが見つけたいものは落ちている。だからゆっくりでもいい。歩いていって。青空と同じくらい道だって広いんだから」
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