ドキドキするだけの恋なんて

みんなに 勧められたからって わけじゃないけど。


上原さんと 付き合うことを 

決めたのは 自分だから。


一歩ずつでも 前に進んでみよう…



「旅行 楽しみにしてます…」

私は ちゃんと返事を していなかったから。

改めて 電話で言う私に 上原さんは 驚いた声を 出した。 


「えっ? 本当に いいの? あず美ちゃん…?」

意外そうに 聞き返されて 私は 笑って答える。


「はい。上原さん 誘ったくせに… 困ってます?」

「ハハッ。すごく うれしいよ。断られるって 思ってたから。困ってるわけじゃ ないよ。」


上原さんは 明るい声で 嬉しそうに言った。


「どこに 行くの?」

「実は まだ決めてない…ハハハッ。あず美ちゃん 行きたい所ある?」

「ううん。上原さんに 任せます。」

「えーっ。責任重大。色々 考えては いたけど…」


「じゃ 行ってみての お楽しみで。ミステリーツアーに しましょう。」

「いいの? 行ってから ガッカリしても 知らないよ?」


「ガッカリなんて しないですよ? 上原さんと 一緒なら…」

「うん…何か 俺 緊張してきた…」


少し ドキドキして 甘い気分に 包まれて。

これが 大人の恋愛 なのかな。








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