私は彼とあくまでも友達になりたい
「で!どうなの!噂の真偽は!」

「どこまでが本当なの!ねぇ!」

自分の席に座っても尚、質問攻めをうける私。

どうしよう…。

でも、ここまできたら隠すっていうのも変な話だよね?

「付き合ってるよ。」そう言おうと口を開いた瞬間だった。

「梨花。」

私を呼ぶ声が、教室の扉の方から聞こえた。
その声にどきりとした。

「え!弥生くん!」

女子から黄色い歓声が上がる。

ちなみに、私はというと、びっくりしていた。

弥生くんは休み時間机で寝てるって千夏が言ってたから、隣のクラスに来たってことは、相当珍しいはずだ。

「梨花、ちょっと用があるから来てくれない?」

彰人くんは女子の歓声を無視して、私をもう一度呼んだ。私は席を立ち、彰人くんの方へ行く。

「あと、そうそう。」

私が彰人くんの元はついたとき、彰人くんは口を開いた。


「…あんまり、梨花のこといじめないでくれる?いじめていいのは俺だけだから。」


それはもう、意地悪な笑顔だった。

女子からまた歓声が上がる。
「付き合ってるよ」の返答よりも、効いただろう。

「ついてきて。」

彰人くんは言い歩き出す。
私はこくりと頷き、彰人くんの後を追った。
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