あなたの左手、 私の右手。
こういう日に限って次々に仕事が舞い込む。
いつもならばうれしい悲鳴だ。それだけ認められて、頼られてやりがいにもつながる。
でも今日ばかりは、新しい業務が追加される連絡や言葉には素直に喜べなかった。

赤名が不在の間にも仕事をとめるわけにはいかない。
むしろ彼女が戻ってきたときに、少しだけでもゆっくりできるように今から備えたいとも思う。

ふと誰も座っていない隣の机を見る。
2人の机は緩やかなカーブで繋がっていて、間の引き出しは共有スペースになっている。
赤名はいつもその引き出しの一番上に、俺の机の上から救出した大切な書類をまとめて入れてくれている。
ファイルには必ずラベルや見出しが見やすく書かれていて、順序良く整理整頓されて入っている。

俺の仕事のペースは赤名とペアを組んでから明らかに効率があがった。
現に今年度の成績は前年度成績トップの自分の記録をすでに3分の2ほど達成している。

PCには赤名が書いてくれたフロアのボードの情報や、優先順位の高い仕事が書かれている。
そのきれいな赤名らしい整った文字をみるたびに、はやる気持ちを抑えるのに必死だった。
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