あなたの左手、 私の右手。
日付が変わるころやっと俺は彼女の家に向かっていた。
スーツ姿のまま、とりあえずタクシーで彼女の家に向かう。

『これから行く。忙しかったり不在だったら帰るから。』
何も言わずに行くのはどうかと、いちをメールを送る。
赤名からの返事がない時点で、かなり忙しいのだろうと思う。

大丈夫だろうか。
一人で泣いていないだろうか。

きっと・・・彼女は我慢しているはずだ。
いろいろなものを我慢しているはずだ。

いつからこんなにも彼女に心惹かれているのだろうか。

・・・多分・・・出会ったあの日から少しずつ心惹かれていたのだろう・・・・
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