あなたの左手、 私の右手。
仕事に復帰した次の週末。

朝早くに先輩は一度自分のマンションに戻り、車を持ってきてくれた。
まだ、住んでいた家をどうこうすることは考えていなくて、持っていく荷物も最低限でいいだろうと荷造りも簡単だった。

「これだけ?」
「はい。何か必要なものがあれば戻ってくればいいし。」
「・・・そっか。」
「はい」
先輩は大きなボストンバックを持ち、「戸締りは?大丈夫か?」とあたりをきょろきょろと見渡した。

「3回確認しました。」
「よし!行くか。」
私の返事を聞くとすぐに先輩は私の手を握る。

いざ、先輩と一緒に暮らす実感がわいてくるとやけに緊張してしまった私に気付いてか、先輩はかなり明るく振舞ってくれている。
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