子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「紬。今度の週末ってあいてるか?」

夕飯を食べていた時、なんの前触れもなく柊也さんが声をかけてきた。何か用でもあるのだろうか?

「あいてるけど……?」

「じゃあ、土曜日は一緒に出かけるぞ」

「どこへ?」

「ん?秘密」

秘密って……
一体どこへ行くというのだろう。

よく考えたら、2人で食事に行くことはちょくちょくあったけれど、それ以外の目的でといったら、2人で出かけたのなんて妊婦検診ぐらいだ。

そう。最初に婦人科へ行った時、柊也さんは自ら付き添いを申し出てくれた。てっきり最初だけだろうと思っていたけれど、「心配だから、できる限り付き添う」って宣言して、本当に実行してくれている。
私がいくら「大丈夫」って言っても、彼の方が聞く耳持たず。

「紬は妊娠したいんじゃなくて、子どもが欲しいんだろ?生まれるまで見届けないとな」

その言葉がどれほど嬉しかったか。
まるで、生まれるまで隣にいていいって許可されたようで、その想いが嬉しかった。

同時に、それは鋭い楔のように心に突き刺さってきた。
それは猶予が伸びたにすぎない。隣にいていいのは、子どもが生まれるまでだと宣言されたみたい。

こんなふうに心が不安定になるのは、全部妊娠の影響かもしれない。ホルモンバランスが崩れて、いろいろと不安になってるだけだ、なんて言い聞かせる自分が無性に虚しくなる。



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