子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
柊也さんは、こちらの心境なんておかまいなしに、耳元に顔を近付けてくる。

「夜まで待てないのか」

「なっ……」

ゾクリとして体を震わせてしまった自分が嫌になる。

満足げな柊也さんを睨むも、なんの威力もないのは一目瞭然。離れてはくれたけど、くすくす笑われてるし。

「と、ところで、私のベッドはどこにいったんでしょうか?他のものは届いているのに、ベッドだけが届いてなくて」

確かにトラックに積み込まれるのは見ていた。けれど、一向にベッドが運ばれてくる気配がない。

「そんなの、処分したに決まってるだろ」

「はあ?」

確かに、量販店で買ったお手頃価格のものだよ。おまけに、大学の頃から使っていて年季が入っているよ。

だからって、お値段以上の働きをしてくれてる私のベッドを、勝手に処分していいはずはない。断じてない!!

「なに勝手なことをしてくれてるんですかあ!!」

怒りを爆発させる私の横で、「うるせえ」なんて言いながら耳を塞ぐ柊也さん。

ぜえぜえ肩を上下させる私を、しれっとした顔で見てくる様が、これまたイライラを増幅させる。




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