プラチナー1st-
「…そう、だったの……。私が覚えてないことで私のこと良いなって思ってくれてありがとう。でも私は貴方の気持ち受け入れられないから。ごめんね」

紗子が礼と謝罪を述べると、和久田はまだ早えーよ、と笑った。

「俺ら、まだ始まったばっかりじゃん。早々に終了宣言すんなって」

「でも私、貴方にそんな気ないし」

「それをその気にさせるのが、俺らのこれからだろ」

それに付き合うと約束したことはないけれど。そう言うと和久田が微笑った。

「大丈夫。絶対俺のこと好きにさせてみせるから」

だからなんでそんな自信満々かな。紗子の想いはそんなに軽く見られているのだろうか。

「松下の恋が軽いとかじゃなくてさ。人間ってやっぱり振り向いてくれない人を追っかけてるよりも、好意を持たれる方が心地良いから。まあ、そういう理由だな」

だから、松下の恋が軽いとかじゃないよ、と和久田は言った。それを言ったら、和久田だって叶わない恋なんじゃないのか。

「俺の恋は松下みたいに行き止まりじゃないからな。これだけ気持ち伝えてて、それでも一緒に飲みに来てくれるくらいは、俺のこと好きってことだろ?」

其処から始めていければ良いんだよ。和久田くんはそうも言った。
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