死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
3人でやってきたのはA組の教室だ。


A組の生徒たちは今日も誰もいなかった。


「さて、これだけの資料からなにを調べるの?」


玲子に聞かれて、梓は厚彦を見た。


なにせユキオさんとコンタクトととれるのは厚彦だけなのだ。


梓に質問を投げかけられても答えられない。


「残念だけど、聞き出せたのは名前だけだった」


厚彦が申し訳なさそうに言う。


「そんな……」


ユキオという名前だけで、この膨大な量の資料から特定するなんて無理に決まってる。


「でも、顔は覚えてる。だからとにかくユキオって名前の生徒を探してほしい」


時間はかかるけれど、そうするしかなさそうだ。


梓は玲子に説明をして、3人で資料を熟読しはじめたのだった。
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