死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
その考えが一番妥当かもしれない。


でも、そうなるとユキオさんがどうして北中高校へ入学したのかという疑問が残る。


「うちの高校はプロを目指すような部活はしてないよね?」


梓の言葉に玲子が「あっ」と声を出した。


「そうだったね……」


「県の試合で上位へ食い込んでも、それ以上に行ったことはない。プロを目指すなら、他の高校に入学するよね」


「じゃあ、ユキオさんは夢半ばで亡くなったわけでもないってことか……」


玲子は考え込んでしまった。


なにか、自分たちが調べただけではわからないものがあるのだろう。


「もう1度、部室へ行ってみよう」


そう言ったのは厚彦だった。


「部室って、今から?」


梓は驚いて聞く。


「あぁ。せっかくここまでわかったんだ。もう少し調べよう」


いつにも増して熱心な厚彦。


梓は厚彦の提案を玲子に聞かせた。
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