死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
なんとかして厚彦を家の外へ追い出そうとしたのだが、それもうまくいかず、仕方なく家に泊めることになったのだった。


そこまで思い出した梓はそっとダンボールの上から確認してみた。


そこには昨日梓が用意した毛布にくるまって眠っている厚彦の姿があった。


「夢じゃなかったんだ……」


呟き、スマホに視線を落とす。


そこに書かれていた内容を読むと、みるみる目が覚めて行った。


「ちょ、ちょっと起きて!」


ダンボールで作った壁を自ら破壊し、厚彦をたたき起そうとする。


しかし伸ばした手は厚彦の肩辺りをすり抜けてしまった。


体のバランスを崩して厚彦に馬乗りになる形になってしまう。


その瞬間厚彦の寝顔が目の前に来てドキリとした。


(ふ、不可抗力だから!)


心の中で自分に言い訳をして慌てて起き上がる。
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