死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

それから数日後、オカルト好きなエリカがしきりに首をかしげている。


「どうしたのエリカ?」


玲子が飲みかけのパックのジュースを机に置いて聞いた。


「つい最近までバスケ部の幽霊の噂が頻繁にされてたの。泣き声が聞こえてきたっていう生徒が増えて、これは本物だと思って行ってみたんだけど……」


そこまで言ってエリカは口を閉じ、首をひねる。


「行ってみて、どうだったの?」


「なぁんにも聞こえなかった!」


エリカは盛大な溜息とともに言葉を吐き出す。


それを見て梓は笑ってしまいそうになった。


エリカが部室へ行ったのは昨日の放課後らしい。


ユキオさんの魂はとっくの前に成仏しているのだから、声が聞こえるわけがなかった。


「それってエリカに霊感がなさすぎるからなじゃない?」


「えぇ~! こんなにオカルトが好きなのに!?」


玲子の言葉にエリカは本気で悔しがっている。


「今度こそ、学校の不思議を解き明かしてやるんだからぁ!」


エリカはそう意気込んで、教室を出て行ったのだった。
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