死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

そのままトイレを通り越して、ひと気の少ない場所で立ち止まり大きく息を吐きだした。


「玲子ちゃんってあんなキャラだっけ?」


ふよふよと浮きながら厚彦が聞いてくる。


厚彦も玲子の熱量に少しひいているみたいだ。


「昔から正義感は強かったけどねぇ?」


梓はそう言って首をかしげた。


もしかしたら他にも理由はあるのかもしれない。


そう思っていた時、タイミングよく玲子からメッセージが届いた。


《玲子:ちょっと、トイレにいないじゃん!》


どうやらすぐに梓の後を追ってトイレへ向かったみたいだ。


《梓:外の空気吸いたくなっちゃってさぁ》


梓は適当に返事をする。


「ついでにどうして幽霊を助けたいのか聞いてみろよ」


厚彦に言われて梓は頷いた。


こんな話あまり教室ではしない方がいいと思うから、好都合だった。
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