死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「そんなに人助けがしたいなら、生きている人を助けたらいいでしょ」


梓は我ながらもっともなことを言ったと思った。


でも、玲子の考えは違うようだ。


「そうじゃなくてさ、自分たちにしか助けられない人を助けたいの!」


「えぇ~……」


玲子にとってはそれが死者の魂になるらしい。


わからなくもないが、巻き込まれる身にもなってほしい。


「あたし、ちょっとトイレ」


玲子の熱量に押されて梓は逃げるように教室を出たのだった。
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