死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
体のバランスを崩して椅子から転げ落ち、どうにか両手で顔を庇おうとする。


その体にバラバラとガラス片が降り注いだ。


ガラス片は制服を切り裂き、手足に突き刺さる。


しかし、痛みを感じている暇もなかった。


気がつけばその場にうずくまり、微動だにしなくなっていたのだ。


(なに? どうなったの?)


梓は自分の……リュウヤさんの身に起きたことを理解できずにいた。


ただ、ゆっくりゆっくり、時間が経過するにつれて全身に痛みを感じるようになっていた。


その頃には騒然としていた美術室の中は慌ただしくなっていた。


「誰か救急車を呼んで!」


「手当しなきゃ!」


あちこちからそんな声が聞こえてくる。
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