死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
次いでマミちゃんの机の中を確認すると、ノートや教科書はすでに撤去された後だった。


梓はきつく唇をかみしめる。


マミちゃんの両親が持って帰ったのならば、学校側になんらかの説明を求めているはずだ。


でも生徒たちが隠ぺいしたのだとすれば……。


「梓」


名前を呼ばれてハッと我に返った。


厚彦が手招きをしている。


「なに?」


近づいて行くと手首をつかまれた。


「周りの人間がなにも答えてくれないなら、梓が見るしかない」


その言葉に梓はゴクリと唾を飲み込んだ。


マミちゃんに触れて、追体験をしろと言っているのだ。


梓は大きく深呼吸を2度した。


マミちゃんがどんな経験をして亡くなって行ったのか、自分ならそれを見ることができる。


マミちゃんを、ここから解放してあげることができるかもしれないんだ。


「わかった。見てみる」


梓は力強く頷いて、手を伸ばしたのだった。
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